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「あめつちのうた」を歌う

 八つか九つくらいのとき、放課後、母に連れられて大きな病院で診察を受けた帰り道のことだった。

 目の前に長く伸びる色が、歩いているうちに少しずつ変わっていくことに気付いた私は、ふと立ち止まって空を振り返った。

 夕陽が街並みの向こうに沈んでいくところだった。

 空を見つめたまま、私は必死にもがいた。

 その空の色を表す言葉を探していたのだ。

 しかし、「赤」という言葉の他には「オレンジ色」という言葉しか知らなかった。

 違う。赤でもオレンジでもない・・・。

 見渡す限りの空と雲の色は、どこをとってもすべて異なっていた。

 しかも、それらの色は少しずつ変わっていく。

 言葉は、絶望的とも言えるくらい貧しかった。

 ただ「きれいだね」と母が言ってくれたことで、少し安心したのを覚えている。

 再び歩きだすまで、一分も経っていなかったにちがいない。


 この世界には、言葉では表し難いものがたくさんある。

 それでも言葉は、詩人によって注意深く選ばれ、紡ぎ出される。

 作曲家によってメロディにのり、「歌」になる。

 その「歌」を演奏するとき、私たちは自分の言葉で表しきれない現実を超える世界に出会うことができる。


 ありがたいことに、呉混声合唱団のご厚意によって、林 望 作詞/上田 真樹 作曲による合唱組曲「あめつちのうた」を、同団の定期演奏会で歌わせていただくことになった。

 合唱組曲を一曲まるごと自分たちだけで演奏するという初めての体験に、彼らは今、果敢に挑戦している。

 歌えば歌うほど、果てしない世界が広がる。

 きっと彼らは、一人一人の新しい世界を手にするにちがいない。
 
平成30年(2018年)
呉少年合唱団 団長 木村茂緒

※注釈 執筆時点(8月)での内部広報誌から引用いたしました

呉混声合唱団さんの 第45回 定期演奏会(9月9日)で、お披露目の予定でした童声合唱組曲「あめつちのうた」ですが、当日呉市内には豪雨警報・避難勧告が発令され、尚且つ通行止めになる箇所もあり、団員の安全確保の為、参加を辞退を致しました。


12月2日(日)定期演奏会にて

童声合唱組曲「あめつちのうた」の「空のうた」「樹のうた」「風のうた」「水のうた」全4曲を今回の呉少年合唱団 定期演奏会で演奏することになりました。

2018/11/10   goro
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